GO&DO通信
GO&DO通信 Vol.26 (103万円の壁)
103万、106万、130万、150万円の壁
家族の扶養内で働いている人にとって、壁を超えると「働き損」になるといわれます。
一般的に「扶養の壁」と呼ばれていますがこの4つの数字は税金と社会保険の両方が入り混じった数字になっています。
整理して解説します。
税金の壁
103万円と150万円は税金の壁です。
103万円を超えると、超えた額に対して5%~45%の所得税と住民税(約10%)がかかりますが、
所得に対して課税されるため、夫婦の手取り合計額がマイナスになることはありません。
配偶者に会社から扶養手当(家族手当という会社もあり)が支給される場合、
103万円を超えたら不支給の規約となっている場合が多いので、そちらを確認してください。
仮に月1万円支給されているとすると、1年で12万円になります。
103万円以内に収めたら12万円もらえるのに、104万円働いたらもらえず、
家族の手取りが11万円減ってしまいます。
150万円の壁は配偶者(納税者)の税金の控除である「配偶者特別控除」が徐々になくなる数字です。
ただし、これも徐々に減っていくので150万円を超えたから夫婦の手取りがマイナスになることはありません。
社会保険の壁
106万円と130万円は社会保険料の壁になります。
一定規模以上(*1)の会社でアルバイトやパートをすると、年収106万円以上で社会保険に加入することになり、
給料の中から、厚生年金、健康保険を負担することになります。
*1の要件
・正社員が501人以上
・収入が月88,000円以上
・雇用期間が1年以上
・所定労働時間が週20時間以上
・学生ではない
仮に上記に該当する会社で年収108万円(月9万円)の給料だとすると、
健康保険・介護保険料が5,161円、厚生年金の保険料が8,052円となり、合計で13,213円、
年間約16万円の負担になります(広島県の場合)。
収入108万円に対して、約16万円の社会保険料を引くと、手取りは92万円になってしまいます。
上記の規模にあたらないところでパートやアルバイトをし、
年収が130万円を超えると自分で国民年金と、国民健康保険に加入することになり、
ひと月あたり約3万円、年間にすると約36万円の社会保険料の負担になります。
130万円までなら夫の扶養範囲なので、この約36万円は払わなくてもよい金額です。
131万円の収入だと、手取りが95万円になり、かなりマイナスになります。
さらに所得税と住民税の負担もでてくるので、実質はもっと手取りが減ります。
結果的には130万円の収入を超えて、自分で国民年金、国民健康保険を払うようになると、
目安として180万円以上働かないかぎり、家族の手取りは減ってしまうことになります。