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GO&DO通信

GO&DO通信 Vol.16 (弁護士や税理士に払う報酬の源泉徴収)

税理士や弁護士などに報酬を支払う場合、原則として源泉徴収が必要になります。この徴収は、100万円までが10.21%、それを超えると20.42%の税額を徴収します。

しかし、弁護士などからの請求書を見ると、自身の報酬に加えて、交通費などの実費を含めて請求されることがあります。この交通費については、弁護士が自分で負担した交通費であるため、報酬ではなく立替金(実費弁済)に当たるとして、源泉徴収の対象から除いてよいと考えている人が意外に多いようです。源泉徴収の対象から除くことができる実費として支払った交通費とは、報酬・料金等の支払者が、直接交通機関等へ通常必要な範囲の交通費や宿泊費などを支払った場合とされています。支払者が直接支払うことが要件ですので、実費弁済という性格があるにしても、源泉徴収の対象にする必要があります。

このため、40万円の仕事で10万円の交通費・宿泊費がかかった、という請求については、50万円を対象に51,050円の源泉徴収をして448,950円支払い、支払日の翌月10日までに源泉徴収税額を納付しなければならないことになります。

 

税理士法人等への支払いは不要

また、誤りやすいケースとして、税理士法人や弁護士法人などに支払う報酬があります。税理士や弁護士、というと源泉が必要と考えてしまいがちですが、相手が法人であれば、源泉徴収は不要になります。

士業の源泉徴収については、弁護士・司法書士・土地家屋調査士・公認会計士・税理士・社会保険労務士・弁理士・海事代理士・測量士・建築士・不動産鑑定士・技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬が対象とされています。しかし、行政書士に対する報酬については、それが「建築に関する申請若しくは届出」の書類の作成のような場合でない限り、源泉徴収は不要とされています。間違わないようにしましょう。

 

徴収もれは支払者側の責任

源泉徴収のしくみ自体はシンプルですが、上記のように徴収対象については誤りやすいものがあります。このため、税務調査で誤りを指摘されることがありますが、その責任は支払者が負う必要がありますので注意しましょう。

具体的には、10万円の源泉徴収がもれていた場合、まずは税務署に10万円を納税(金額によっては不納付加算税及び延滞税が賦課される)し、その後支払先に10万円を請求します。しかし、時が経ってから請求するのは難しかったり、請求したとしても確実に支払ってもらえるとは限りません。このような場合でも、税務署は納税を待ったりしてくれませんので、日ごろから経理処理に注意が必要です。