GO&DO通信
GO&DO通信 Vol.17 (家事関連費と必要経費)
確定申告が始まりますが、個人事業の場合、青色決算書や収支内訳書の作成にあたり、経費についてどこまで認められるかがよく問題になります。
家事上の経費、つまり個人事業主の生活費や個人的な趣味のための費用は、事業の必要経費になりません。しかし、家事上の経費と事業用の経費が一体となって支出される経費があります。これを家事関連費と言います。たとえば、水道代、電気料、電話料、地代、家賃、固定資産税、火災保険料、ガソリン代などです。
家事関連費のうち、家事上の経費は必要経費に算入することはできません。しかし、家事関連費のうち、不動産所得、事業所得又は雑所得を生ずべき「業務の遂行上直接必要であったことが明らかにされる部分の金額」に相当する経費については必要経費に算入することができます。
住まいと店舗や事務所が一緒になっていると、様々な費用は家事分と事業分が一緒になって請求されます。そのような家事関連費のうち、業務で使った額を明確に区分することができる場合には、その部分を必要経費にすることができます。
たとえば、店舗併用住宅で1階が店舗、2階が住居となっているような場合には、床面積の割合などで家賃や固定資産税・火災保険料などをあん分すれば、事業用部分は必要経費に算入できます。明確に区分することが条件ですから、家事部分と業務部分が一体となっていて、合理的に区分できない場合には、必要経費に算入できません。
家事関連費は、原則として次の金額だけが必要経費とされることになっています。
①その主たる部分が業務遂行上必要であり、かつ、その必要である部分を明らかに区分することができる場合の、その区分された部分の金額
②青色申告者の取引の記録等に基づいて業務の遂行上必要であったことが明らかにされる部分の金額
この「主たる部分が業務の遂行上必要」であるかどうかは、その支出する金額のうち業務の遂行上必要な部分が50%を超えるかどうかにより判定しますが、その部分が50%以下であっても、その必要な部分が明らかに区分できる場合には、その部分を必要経費にすることができます。
したがって、②の要件、つまり業務の遂行上必要であることが記帳され、業務の部分が明らかに区分できれば必要経費とすることができます。